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中野数学舎

小学生(小4~小6)中学生(中1~中3)

文学案内

 ① 林芙美子 

 林芙美子の「下町」。

 スマートフォンに昭和初期の文学者の全集が無料でダウンロードできる時代に。

 林芙美子だけではなく、太宰治・織田作之助・芥川龍之介など沢山の有名な作家の全集を手に入れられる。大杉栄・牧野信一・島木健作などという、ちょっとマニアックなところまで揃っている。

  放浪記で有名な林芙美子ですが、短編の中にもたくさんの名作が存在します。

② 坂口安吾 

坂口安吾
※ パブリック・ドメイン

 坂口安吾「織田信長」。

 坂口安吾には「信長」という作品もあるのですが。

 ~人間50年、化転のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり。一度この世に生を受け、滅せぬもののあるべきか~

 上記「敦盛」は有名ですが、それとは別に、織田信長の愛した小唄で、

 ~死のふは一定、忍び草には何をしょそ、一定語りおこすよの~

という小唄があるそうです。

 

 無頼派と呼ばれた作家の代表格「坂口安吾」の目を通して歴史を見ると、歴史上の人物たちの人間味ある一挙手一投足が見えてきます。

 信長が好んだ小唄を通して、天下人「信長」の本音が聞こえてくる。

 天下統一のごときが何物であるか。

 何も好んで信長は天下統一を試みたわけではなかった。

 ただそこに天下統一があったから。ただ、その運命に従って生きただけだ。

 天下統一のごときが何物であるか。

 人間、裏を返せば「死のうは一定」ただそれだけのことではないか。

③ 芥川龍之介 

芥川龍之介
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 「僕の場合は唯ぼんやりした不安である。何か僕の将来に対する唯ぼんやりした不安である。」

 「或る友への手紙」で芥川龍之介は自身の自殺願望の理由としてこのように述べている。

 将来に対する唯ぼんやりした不安・・・。

 ただぼんやりとした不安・・・。

④ 井伏鱒二

 勧君金屈巵 満酌不須辞 花発多風雨 人生足別離 

 日記にも書きましたが、井伏鱒二が訳した「歓酒」の一節です。

 

 この盃を受けてくれ。

 どうぞなみなみつがしておくれ。

 花に嵐のたとえもあるぞ。

 サヨナラだけが人生だ。

 

 この杯を受けてくれ、

 どうぞなみなみつがせておくれ。

 花に嵐のたとえもあるさ。

 さよならだけが、人生だ。

 太宰治 

太宰治の最後の愛人
「山崎富栄」
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 太宰治

 人間失格・斜陽・津軽・・・。

 太宰はダメな自分を書いた。

 しかし捨てきれぬ強いプライドがあった。

 自嘲的になりながら、

 しかし本当は世の中を嘲っていた。

 自分を育てた乳母への捨てきれぬ憧憬。

 そこに、太宰の底知れぬ人間への愛と、

 その愛の満たされぬ寂しさを感じます。

⑥ 織田作之助

織田作之助
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 織田作之助。

 夫婦善哉で有名な織田作であるが、名作は他にもたくさんある。

 ヒロポンを打ちながら、亡き妻の幻影を追いかけ続けた無頼派。

 坂口安吾・太宰治・伊藤整・石川淳・檀一雄・・・。

 無頼派作家の人生を追えば、人間の本質が見えてくる。

 人間の根源に問いかける文学。

 

 スピード感のある文章が心地よい。

⑦ 島木健作 

島木健作
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 島木健作。

 左翼文学の代表的作家のひとりである。

 「癩」「盲目」など左翼弾圧の時代、国家権力と病に苦しみながら、転向・不転向の間で揺れ動く精神の葛藤を絶妙な文体で綴った天才作家。

 

 大阪刑務所での数年間の日々は、フィクションのようで、実はノンフィクションである。

 肺結核に苦しみながら、刑務所の独房で思想を貫き通すことの意味を自身に問いつづける傑作「癩」。

 癩」「盲目」は、島木健作の初の短編集「獄」に収められている。